NH(ニューハーフ)アイドル・田所権左衛門

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俺が工場に戻ると恵子ちゃんがすぐに来て 「どうでした?田所さん?」 と聞いて来た。 「ありがとう恵子ちゃん! 部長にも工場長にも是非頼むと言われたよ 後は蓮香の気持ち次第かな」 「こんばん、お邪魔してもいいですか?」 「もちろん!蓮香も喜ぶよ」 「田所さんの車に乗って行ってもいいですか?」 「もちろん!帰りも家まで送ってあげるから」 「ありがとうございます、それじゃ後で...」 その日の仕事も終わり車のところまで来たら 既に恵子ちゃんが待っていた。 「ごめん、お待たせ」 「私も今来たばかりですから、すみません よろしくお願いします」 「じゃ、帰ろうか」 恵子ちゃんを乗せて我が家へ。 蓮香には恵子ちゃんが来ることも仕事の事も 内緒にしてある、帰ってから驚かして やろうと恵子ちゃんと計画を立てていた。 アパートに着き玄関のインターフォンを 鳴らす。鍵を開けて中に入る、蓮香が いつものように飛びついて来ないように 恵子ちゃんを先に入れた。 蓮香が勢いよく 「お兄ちゃん!おかえ.........えっ?恵子ちゃん? どうして??」 そして恵子ちゃんの後ろから 「蓮香ただいま」 と俺が顔を出す。 「蓮香ちゃん、今日は良いお知らせがあるの」 「なあに?良いお知らせって?まあ、とにかく 中に入って、夕飯もできてるから恵子ちゃん 食べて行ってね」 「うん、そのつもりで来たんだ!」 中に入ると、蓮香らしい日本食の夕飯。 「わあ!美味しそっ!!」 「お兄ちゃんは着替えて来て!恵子ちゃんは ここに座って!」 急いで着替えて食卓へ。 「ところで嬉しいお知らせってなあに?恵子ちゃん」 「それはね〜〜、蓮香ちゃんはトヨハツの 『看板娘』に決定されました〜〜!」 「看板娘???」 「蓮香、恵子ちゃんが、お前をトヨハツの 受け付け嬢に推薦してくれて部長の方から OKが出ました〜〜〜!蓮香はトヨハツの社員として 働けるようになったんだよ!」 「えっ?えっ?受け付け嬢?何それ??」 「受け付け嬢っていうのはね、言わば トヨハツの看板娘的な、お客様が いらっしゃるでしょ、 その時、一番最初にお客様と接するお仕事なの だから、綺麗で可愛い子が選ばれるのそれに 何事にも物怖じしないでお客様と接する事が出来ないとダメなのね、まさに蓮香ちゃんにピッタリの お仕事!」 「そうなんだ、今まで受付をしていた女の子が 結婚退職することになって、部長が恵子ちゃんに 白刃の矢を立てたらしいんだけど」 「私、話すのあまり得意じゃ無いし 基本、人見知りしてしまうし私じゃ無理、無理 それでね、田所さんから聞いてすぐに部長に 進言したの、そしたら即!OKサインが出て 後は蓮香ちゃん次第って言ってくれたのよ」 「僕に出来るかな?そんな大切な仕事......」 「蓮香ちゃんなら出来るわよ、後はね お客様にお茶出したりご案内したり 普段はお客様あまり来ないからそんな時は 事務の仕事を手伝うくらいかな、 ねっ!だから一緒の会社でお仕事しよ!」
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