NH(ニューハーフ)アイドル・田所権左衛門

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「お兄ちゃん、僕に出来るかな?」 蓮香が心配そうな目をして俺に聞く。 「蓮香なら、大丈夫!普段のお前でやれば出来ると 思うぞお兄ちゃんも」 「.........そう...かな...僕に出来るかな?」 「出来るよ!蓮香ちゃんなら!」 「やってみないか?蓮香!」 蓮香は、しばらく考えて 「.........そうだね、やってみようかな... うん、僕やってみる!お兄ちゃん、恵子ちゃん!」 「土日は、『舞唯』、平日はトヨハツ社員 少しハードだけど、私だってやってんだから お姉ちゃんにできないわけないよね! ねっ、お姉ちゃん」 「やだ〜〜!恵子ちゃん!!また、言う! お姉ちゃんなんて同い年でしょ!」 「みゆかちゃんも同い年だけどお姉ちゃんって 言ってるじゃない!蓮香ちゃんは田所ファミリーの 長女なの!」 「もう!恵子ちゃんたら!」 「よし!早速明日部長に言っておくからな、 それで、いつから仕事する?部長は明日からでも 明後日からでも、良いと言ってくれている 後は蓮香次第かな」 「そうね〜、こうなったら早い方がいっか! お兄ちゃん、恵子ちゃん!僕、明日一緒に 行って部長さんとお話ししてみる」 「よし、そう来なくっちゃ」 「蓮香ちゃん!始動よ」 「はい!」 恵子ちゃんが明穂さんのモノマネをして言ったので 思わず俺まで蓮香と一緒に返事してしまった。 「なんで、田所さんまで返事して、、、」 と言いながら、蓮香と恵子ちゃんがわらった。 蓮香の気持ちは決まったようだ。 俺としても知らないところで蓮香をひとりで 働かせるのは心配だったのでこれで良かった と一応胸を撫で下ろした。食事も終わり 恵子ちゃんを蓮香と一緒に送って行った。 家に戻ると、 「お兄ちゃん!明日どれ来て行こう? ねえ、一緒に選んでよ!」 と蓮香のファッションショーが始まってしまった。 これでもない、あれでもないと数少ない洋服の中で みゆかが近藤さんに買ってもらった物があった。 それは、みゆかも着てないし蓮香も着たことは なかった。 「お兄ちゃん、これ着ても良いよね。 みゆかちゃんには、内緒だよ。 お洋服もっと欲しいよお兄ちゃん! 明日買ってくれないかな?」 「わかったよ、仕事帰りにデパートかどこかに 寄って、何着か買ってあげるよ」 「ほんと!ありがと!!お兄ちゃん!!!」 **************************************
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