第六章 大司教殺し

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 その一方で、カミーユを失ったトリスタンは自分達を正しいと思い込んでいる宗教指導者たちこそがこの戦争における諸悪の根源だと考え、邪教の指導者と大司教猊下(げいか)の双方をこの世から葬り去ることを決意。その手始めとして邪教の指導者を斬り捨てるために、彼がいる西の国の都ナムサを目指して、クローゼンから姿を消す。  そして、西の国の領土であるムルダハ砂漠に足を踏み入れたトリスタンは、そこでティムルーク戦線にてこずるルーメン王国騎士団に協力。ティムルーク戦線を破り、都ナムサへと近づいていく。  一方、471年2月にオービニエで異端審問(いたんしんもん)の末破門されて投獄されていたラヴィニス・ヘルムドール卿は大司教聖キルフェ2世から破門を解く代わりに戦線復帰するように取引を持ち掛けられる。彼は当初それを拒んでいたが、カミーユの死を知り、家族を失う恐怖から考えを改める。
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