第六章 大司教殺し

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 取引に乗った彼はオービニエからクローゼンに戻り、カエルムやオデットと再会。戦線に戻る理由を語った。後日、彼の召集に従ってジェライ騎士修道会がクローゼンに集結。ラヴィニス卿はそこで自分が猊下(げいか)の誘惑に乗ったことを謝罪し、この戦争を最後に、総長(グランドマスター)を辞すると宣言してから、西の国の都への進軍を開始する。  ラヴィニス卿がジェライ騎士修道会を率いて発った後のクローゼンでは、オデットが望まれない命の家の仲間たちと共に、邪教の娘達の出産に立ち会っていた。出産は成功し、姉の遺志を継ぐことができたオデットは心を震わせるが、その後、母になったはずの娘達は産まれたばかりの子供達を捨てて唐突に姿を消してしまう。母親の一人であるマルジャナから異教徒との間に子を為すことが許されていないという理由を聞かされたオデットは教えの(かたく)なさに絶望する。
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