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(人がいっぱいいる……)
待ち合わせは、駅前の時計台の下。
地元の人間がよく使う集合場所だ。
流石に春休み中って事もあって、時計台周辺は大勢の若者達で賑わっていた。
あぁ、そう言えばアキラと会った時もこんな風だったな。ほんの数か月前の事なのに随分昔の事のように思えてくる。
あの時は女装してたし、胃が痛くてもう帰りたいって思っていたけど今はそれすら懐かしい。
「……ハル……?」
そうそう、あの時もこんな低い声が聞こえて、アキラが俺を見下ろしていたんだ……。
「えっ?」
聞きなれた懐かしいバリトンボイスに名を呼ばれ驚いて顔を上げた。
相手の顔を見た瞬間、息が止まりそうになった。
「な……っ、なんで?」
「それはこっちのセリフだ……」
目の前に、アキラが居た――――。
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