【11.藍の元カノ】

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 と追い返そうとするけど、藍は「透子が怒ってるん理由を教えてくれるまで、俺はここから出ていかない」と言い出した。 「もう……!一人になりたいんだってば……!」  藍は本当に、女心が分かってない。  いつもそうやって心配してるみたいな雰囲気出してるけど、たまには一人になりたい時だってあるのに……。 「透子……。お前、何で泣いてるんだよ」  そう言われて初めて気付いた。わたしが泣いてるということにーーー。 「泣いてないから……。あっち行ってってば……」  泣いてるという事実を隠し通したいのに、流石にそれは無理があるようだ。 「何言ってるんだ。泣いてる妻を放っておける訳、ないだろ?」  藍はそう言って、わたしを布団ごと包み込むように抱きしめてきた。 「藍のバカ……」 「透子。妊娠してることが、そんなに辛いのか?」  と、藍は聞いてくる。 「違うから……」    妊娠してることが辛かったら、きっとわたしは今頃……堕ろしてる。 「じゃあ何だ?」 「……あの女、誰なの」  わたしは勇気をだして、藍にそう問いかけた。 「え、女?」 「とぼけないで……」
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