【12.元カノの嫉妬】

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「……うん。ありがとう」  藍は「透子は可愛いから、変な男に絡まれたりしないか不安だな」と冗談交じりに話していた。 「何言ってるの?そんなこと、ある訳ないでしょ」  わたしは藍の妻なんだから。変な男に引っかかるなんてことは、あり得ない。 「大丈夫だ。もしそうなったとしても、俺が守ってやるから。安心しろ」  藍はそう言ってわたしの手を握ってくる。 「藍……?」 「大丈夫。お前には、俺がいる」 「……うん」  藍のその手の温もりは、なんだか優しくて、ホッとする感じがした。 「透子は元気な赤ちゃんを産むことだけ、考えてればいいんだから」 「……うん。ありがとう、藍」  藍と繋ぐその手は、幸せをちょっとだけ感じるような、そんな温もりだった。 「俺はお前の夫である前に、子供の父親だ。お互い助け合っていかないとな?」 「……そうだね」  わたしたちは、家族になるんだから。こうして少しずつ、家族となっていくんだから。 「アイツのことは、俺がなんとかするから。お前は気にしなくていい」  藍はそう言うと、わたしに視線を向けた。
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