【12.元カノの嫉妬】

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 それから数日が経った時のことだった。 「藍、買い物行ってくるね」 「じゃあ俺も一緒に行くよ」 「大丈夫だよ。一人で行けるから」  藍はそう言ってくれるけど、わたしは断った。 「ダメだ。透子は妊娠中なんだから、なにかあったらどうするんだ」 「藍は心配しすぎなのよ」  と言うけど、本当は心配してもらえると嬉しい。 「透子、俺はお前のことが心配なんだよ」 「そんなに心配しなくても、無理はしないから大丈夫だよ」  わたしはそう言いながら、エコバッグとお財布を用意した。 「透子はいつもそう言うけどさ、そういう時が一番心配なんだよな」 「大丈夫だって。 じゃあ行ってくるね」 「……分かった。気を付けてな」  わたしは家を出ると、エレベーターに乗り一階まで降りて、カードキーをかざしてマンションを出た。  そしていつものように、買い物に出かけたその時だったーーー。 「ちょっと待ちなさいよ!」  と声をかけられた。 「はい……?」  え、ウソでしょ……。何でままだいるの?  振り返るとそこにいたのは、藍の元カノであろう女性だった。 「あなたっ……」
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