【13.過保護な夫】

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「藍、落ち着いて……。もう大丈夫だから」  わたしはそう言ったのに……。 「ダメだ。俺の大切な人を傷つけるようなことをしたんだぞ?アイツは。……殺そうとしてたんだぞ?」  確かに、あの時……本当に死ぬかと思った。  藍に助けてほしいって、本当にそう思ってた……。 「……あの子、言ってたよ」 「え? 言ってたって、何をだ?」  藍は信号待ちしている状態で、ハンドルを握りながら、わたしに視線を向けていた。 「……わたしが、藍と結婚出来ると思ってたのに、って」  なぜそんなことを言っていたのか、分からなかったけど……。  確かに言っていた。 「違うんだ、透子。それは……」  と藍が話しだした瞬間に、信号が赤から青へと変わりだす。 「……藍?信号、青になったよ」 「あ、ああ……」  戸惑っているような表情をする藍は、再びハンドルを握りだし車を走らせる。 「藍。違うんだって、何……?」  わたしはそう問いかけた。 「結婚のことだろ? あれは、アイツの勘違いだ。俺は結婚したいとも、するともアイツには一言も言ってない」 「じゃあ何で……。藍のこと返してなんて、言うの?」
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