【13.過保護な夫】

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「高城透子さーん。診察室へどうぞ〜」 「はい」  名前を呼ばれたわたしは、藍と一緒に診察室へと入った。 「高城さん、今日はどうされました?」 「あの……」  と話し始めようとした時、藍が横から「実はちょっと、妻が転んでしまって……。心配なので、赤ちゃんが大丈夫かどうか診ていただきたくて」と伝えた。 「あら、そうだったの……。分かったわ。じゃあ大丈夫かどうか、診てみましょうか」  藍がそう伝えると、先生はそう言ってくれた 「はい。よろしくお願いします」 「じゃあ準備しちゃうわね。ちょっと待っててね」 「はい」  先生が一旦席を離れると、藍はわたしの手を握ってくれた。  そして「大丈夫だよ、きっと」と優しく言ってくれた。 「……そうだね」  何事もないことが、一番だもんね。自分たちが安心するためにも、ちゃんと診てもらうのが一番だ。 「お待たせ。じゃあ始めましょうか」  その5分後、先生が器具を持って診察室へ現れた。 「は、はい」 「旦那さんは少しだけ、出ててくれるかな?」 「え?あ、はい。分かりました」  藍が外に出ると、先生は診察を始めた。
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