【13.過保護な夫】

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「……早く、産みたいな」  そう口にしてしまうほど、愛が溢れてしまう。 「頑張って、お母さん」 「……はい。ありがとうございます」  わたしはお礼を伝えると、服を元に戻しベッドから起き上がった。 「赤ちゃんは7ヶ月目に入った所にね。このまま順調に行けば、予定通り産まれそうね」  と、先生はカルテを記入しながら言った。 「ありがとうございます」 「何かあれば、いつでも来てくれて大丈夫ですからね」 「はい。ありがとうございます」  わたしはそう伝えると、先生は「じゃあ、お大事に」と言って微笑んでくれた。 「はい。ありがとうございました」  わたしが診察室を出ると、藍は待合室で待っていた。 「透子、終わったのか?」 「うん。お待たせ」  と、藍の隣に座ると藍は「赤ちゃん、大丈夫だったか?」と心配そうに聞いてきた。 「うん、大丈夫だったよ。 ちゃんと育ってるって」 「そうか。良かった……」  藍はよほど心配していたのか、ホッとした様子で微笑んでいた。 「……ありがとう、藍」 「え?」 「藍が心配してくれて、嬉しかったよ」
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