【14.藍の誕生日➀】

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「みたいだな」   「ね……フフフ」    他人が夫婦になるのって、そんな簡単なことじゃない。だけどわたしたちは、こうして夫婦になっていく。  こうして何度もぶつかりながら、何度も助け合いながら、夫婦になっていくんだ。 「そういえば、藍」 「何だよ?」  わたしは藍に質問したいことをすることにした。 「藍、もうすぐ誕生日でしょ?」 「ああ。そうだったな」 「誕生日プレゼント、何かほしいものはある?」  わたしがそう問いかけると、藍は「そうだな……。何かあったかな?」と考え出した。 「何かほしいものあったら、言ってね」 「そうだな……。強いて言うなら、透子の手料理が食べたいかな」  と、藍はわたしを見ながら言った。 「え?そんなのでいいの?」  と聞き返すと、藍は「゙そんなの゙じゃなくて、゙それが゙いいんだよ」と言ってくれた。 「……分かった。何か食べたい物あったら、何でも作るから言ってね」 「分かった。透子に何を作ってもらうか、考えておかないとな」  藍は嬉しそうに微笑みながら、そう言っていた。 「作れるものなら、何でも作るよ」  藍の誕生日、だしね。
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