【15.藍の誕生日②】

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【15.藍の誕生日②】

 そしてあっという間に、藍の誕生日の日を迎えた。 「藍、おはよう」 「おう。おはよう透子」 「藍、今日……早く帰ってこれる?」  わたしは起きてきた藍に、真っ先にそう聞いた。 「ああ。早く帰って来るよ、必ず」 「……うん。待ってるね」    わたしは藍にそう伝えると、思いっきり微笑んだ。 「藍。誕生日、おめでとう」 「ありがとう、透子」 「今日、美味しいご飯作って待ってるからね」  わたしは藍にそう伝えると、藍は「それは楽しみだな」と微笑んでいた。 「藍のために、一生懸命頑張るからね」 「透子のその気持ちだけで、俺は充分だよ」  藍はいつも優しいから、そう言ってくれる。 「愛してるよ、透子」 「……うん」  そして藍は、こうやって甘くて優しいキスをいつもくれる。その度に心が疼いて、キュンとする。 「今日はもう出かけるよ」 「え、もう?早くない?」 「今日は早く帰りたいから、ちょっとだけ早く出たいんだ」  藍はそう言うと「顔洗ってくる」と言って洗面所へと行った。 「愛してるよ、か……」  その一言が、どれだけ嬉しいことか……。
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