【15.藍の誕生日②】

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 あ、どうせなら……。 「シャンパンも……買おうかな」  せっかくの藍の誕生日だ。わたしは飲むことは出来ないけど、藍にはとびっきりいい誕生日にしてほしいから、せめてシャンパンくらいは用意してあげたいな。 「……参った。買いすぎた」  藍を喜ばせたい気持ちがあったから、なぜかすごい買い物をしてしまった。  おかげでに荷物がとても重くて、腕が痛い。ここまで歩いてきたけど、流石に体力が持たなそうだから急遽電車で帰ることにした。 「重いっ……」  やばい。腕が痛い……。階段降りるの、ちょっとキツイかも……。 「大丈夫ですか? よかったら、持ちますよ」  駅の改札を抜けて階段を降りようとした時、近くにいた優しい女子高生の女の子がわたしを助けてくれた。 「……え?」 「妊婦さんには、優しくしなさいと母から言われてるので」  その女子高生は、にこやかに微笑んでそう言っていた。 「すみません……。ありがとうございます」  わたしはその子にお礼を言った。 「わたしの母、産婦人科の先生なんです」 「え、そうなんですか?」 「はい」  すごい……。産婦人科の先生なんだ。
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