【15.藍の誕生日②】

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「この電車で、ええのですか?」  そう聞かれたわたしは「は、はい。大丈夫です」と答えた。  優しいその子は、電車の中にまで荷物を運んでくれた。 「優先席、空いてますのでどうぞ座ってください」 「ありがとうございます」 「荷物、足元でええですか?」  優先席に座ったわたしに、その子はそばに立ち問いかけてきた。 「はい。おおきに」  と、普段使わない京都弁を使ってみるけど、違和感しかない。 「お姉さん、京都の人やないの?」  その子は不思議そうにわたしを見て聞いてきた。 「ええ、まぁ。……京都に住んでからはまぁまぁ長いやけど、こういう京都弁、なんか苦手で。話しにくいし、あんま使われへんよ」  わたしはその問いかけにそう答えた。 「なるほど。お姉さん、京都の人やないんや」 「はい。 わたしは元々、関東の田舎の生まれなので……。京都の言葉は、うまく話せないんです」 「そうかぁ」  初対面の女の子にこんなに優しくされたのは、初めてで……。ちょっとだけドキドキして、ちょっとだけ緊張した。 「もう次で降ります。色々とありがとうございました。助かりました」
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