【15.藍の誕生日②】

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「おかえり、藍」 「透子、会いたかったよ」 「わっ……!?」  帰ってきた途端、藍はわたしをギュッと抱きしめてきた。 「藍、痛い……」 「ああ、済まない」  そして藍の誕生日の飾り付けをしたその部屋を見て、藍は「うわっ……!なんだこれ? すげぇな」と言葉をもらした。 「これ、全部透子がやったのか?」  と聞かれ、わたしは「うん。そうだよ」と答えた。 「すげぇな……。嬉しいわ」  藍は嬉しそうに笑っていた。 「本当?よかった。 この子もきっと、喜んでると思うよ」  お腹の赤ちゃんに手を乗せると、藍もその手を重ねるように握って「……そうだな。喜んでるといいな」と言っていた。 「藍……。お誕生日、おめでとう」 「ありがとう、透子。嬉しいよ」 「……大好きだよ、藍」  藍への気持ちを伝えるなんて、本当は恥ずかしくて仕方ないけど……。今日は特別な日、だからね。 「嬉しいね。゙大好ぎって言ってくれるんだ?」  藍はニヤニヤしながらそう言ってきた。 「……だって今日は、特別な日だし」 「嬉しいね、それは」  藍の一年に一度の誕生日、だからね。
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