【15.藍の誕生日②】

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わたしがそう言うと藍は、「透子の選んだものなら、嬉しいに決まってるだろ?」と言って、その包みを丁寧に開封した。 「……透子、これって」  藍はその中身を見て、驚いていた。 「ネクタイ。……藍に似合いそうだなって、思って」  わたしがそう言うと、藍は「このネクタイ……。すげぇいいよ、透子」と言って笑っていた。 「本当に? よかった」 「ネクタイの柄、最高だよ。え、しかもネクタイピンまであるのか?……透子、お前やっぱり最高にいい女だな。透子が俺の妻で、本当によかったわ」  藍はそう言うと「今度の出勤の時に、このネクタイ付けていいか?」と聞いてきた。 「もちろん。 またわたしが、結んであげるね」  藍のために一生懸命選んだネクタイ、わたしが結んであげたい。 「それは楽しみだな」 「……藍なら喜んでくれると、思ってたよ」 「何言ってるんだよ。喜ばない訳がないだろ?」  そして藍は続けて「透子、ありがとう。……愛してる。 俺は今日世界で一番、幸せな誕生日になったよ」と言って、わたしを抱きしめた。 「……よかった」  藍の誕生日、成功……だね。
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