【16.家族になるために】

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「そうだな。……すげぇ、楽しみだな」 「そうだね。もうすぐ、産まれるよ」  お腹に手を当てながら、そう呟くわたしに、藍は「産まれたら、たくさん子供の写真を撮らないとな」なんて笑いながら言っていた。 「そうだね。撮らないと、だね」  きっと高城社長も、この子が産まれてくるのを楽しみにしているはずだ。  孫のためにまだまだ健康でいないとダメだなと、藍にこの前言っていたらしいし。相当楽しみ、なんだと思う。 「公園にも行きたいだろ?それから、遊園地にも行きたいし、水族館だって連れてってやりたいだろ?それから……」  と考え込む藍に、わたしは「大丈夫だよ。心配しなくてもその願い、全部叶えられるから」と言って微笑んだ。 「……そうだよな。叶えられる、よな?」 「当たり前だよ。だってこれから何十年も子育てしていくんだよ? 全部叶えられるよ」  藍がそう思ってくれているように、わたしもそう思ってるから。  わたしたちの目指す場所は同じ。家族みんなで幸せになること。そしてかけがえのない思い出を作っていくことだから。  それを叶えられるのは、藍とだからなんだよ。
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