【3.高城藍の過保護】

1/11
前へ
/156ページ
次へ

【3.高城藍の過保護】

【透子、おはよう】 【体は大丈夫か?】 【透子、重い物は持っちゃダメだぞ】 【透子、体を冷やしちゃダメだぞ】 「あーもうっ!うるさい……!」  あの日のプロポーズ以来、毎日こうやって頻繁に連絡がくる。  それもそうだ。だってあの人は、もうわたしの夫になるつもりなのだから。 「もう、何なの……!」  プロポーズの返事はまだしていないけど、彼はわたしの夫になるのに相応しいのは、俺だと言わんばかりの態度であった。  あの日のプロポーズの言葉がずっと頭の中をリピートしている。 「透子も赤ちゃんも、必ず幸せにする」  わたしも赤ちゃんも必ず幸せにするって……。すごい自信だった。  そして何より、彼はあの言葉の後に続けてこう言ったんだ。 【俺はもう、君と結婚するつもりで子供を作ったからね】 「冗談じゃないわよ……」  わたしと結婚するつもりだって?わたしは絶対に認めないから、そんなの!  わたしはアイツと、絶対に結婚なんてしない。あんなヤツの妻になんて、誰がなるものか……!  それに子供だって。……いや、子供に罪はないな。子供を責めるのはダメね。
/156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2170人が本棚に入れています
本棚に追加