【3.高城藍の過保護】

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 あんなヤツ、もうどうでもいいし。 「いらっしゃいませ。何名様ですか?」 「二人です」 「お好きな席にどうぞ」  お客様を店内へ案内し、わたしはお冷をトレーに乗せてお客様の元へと運んだ。 「お冷になります。ご注文がお決まりになりましたら、こちらのボタンでお呼びください」 「おおきに」  すると、その時……。 「……えっ!?」  一度カウンターへ戻ったわたしの視線に飛び込んで来たのは、高級車の運転席から降りてくる高城藍の姿だった。  スーツ姿の彼は、スタスタと店内に向かって歩いて来たのだった。 「透子、やっぱりここにいたか」 「な、なんでアンタがここに……!」    この店の雰囲気にはどう見ても似つかわしくない彼の姿は、誰から見ても目立っている。  そんなイヤな視線は一気に、わたしたちの方に向いている。 「ダメだろ?まだ安定期に入っていないんだ。無理しちゃ体に響くだろ?」  そして突然、そんなことを言われて、また更に注目の的になっていく。 「ちょ、ちょっと……!!」    何でここでそんなことを言うのよ……! 「え?透子ちゃん、妊娠してるん?」 「え!?あ、いや、それは……!その……」
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