【3.高城藍の過保護】

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 重なったその唇は一瞬で離れたけれど。 「……なんでキスするの」  と直後に問いかけると、彼は「なんでって?したかったから」と答えた。 「はぁ?したかったからって……。本当にクズ……」 「そんなクズの子供を妊娠してるのは、君だろ?」  そうやって突っかかってくる所も、腹が立つ。ムカつくし、イライラする。   「ふざけないで……。妊娠させるようなことをしたのは、あなたでしょ?」  そうやって言葉を返すと、彼は「俺のものにするための、最終手段ってことで」と言って怪しく笑った。 「……そういうこと言うから、クズなんでしょ?何なのよ、本当に。ムカつく……!」  わたしはそう言うと、彼の車から降りて店内に戻ろうとした。  ーーーその時。 「え……?」  高城藍に後ろから抱きしめられた。 「透子、君は俺だけのものだ。他の誰にも、君を渡さない」 「やめて。離してよ……」  そうやって変なことを言うかと思えば、今度はそうやって優しくしてくる。  甘い言葉をかけたり、こうやって抱きしめてきたり……。本当に訳の分からないクズ野郎だ。  なんでこんなクズ野郎が……。
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