【4.女将との再会】

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「わたしも知らない言うたんやけど……。知ってたら教えてほしいって」 「そう……だったんですか」 「まさかこんな所で働いているとは、夢にも思ってなかったけど……。でも元気そうで良かった」  そんなことを言われたわたしは、女将さんに「心配かけて、すみません……」と答えた。 「ええんよ。気にせんといて」 「……はい」  高城藍と出会ったのは、偶然なんかじゃなかったんだ……。これは必然だった。  出会わなければ良かったのになんて、思っていたのに……。 「……アンタ、もう旅館の仕事には戻らへんの?」  女将さんからそう問いかけられたわたしは「……女将さんと一緒に働くことが出来ないのなら、働く意味なんてありません」と答えた。   「夕月園はわたしにとって、家族みたいなものだったし……。家族を奪われた今、もう旅館で働く意味なんてありません。 女将さんと一緒に働くことが、何よりわたしの幸せだったんですから」  女将さんと働けないのなら、わたしはもう若女将としての仕事には戻れない……。 「……夕月園は、わたしの大切な宝物だったんです。許せる訳、ないです」 
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