【5.三度目のプロポーズ】

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「さ、降りて」  と言われて助手席のドアを開けた高城藍は、わわたしの腕を取ると、わたしを助手席から降ろした。 「……ありがとう」 「ちょっと来てくれ」   「え?あ、ちょっと……!」   そのまま手を握られ、歩かされる。 「……え、何ここ」  連れて来られたのは、とある花畑だった。 「すごい……。キレイ」  色とりどりのキレイな花が咲くその花畑は、なんだかちょっとだけ、心を癒やしてくれるような気がした。 「これを君に見せたくて」 「え、わたしに……?」 「ああ。君だけに、だよ」  わたしだけのために……。  なんかちょっとだけだけど、それも悪くはない気がする。特別感というか……。  なんかこう……。わたしだけのために用意してくれたのかと思うと、ちょっとだけ嬉しかった。 「……ありがとう」 「喜んでもらえて良かった」    そんな笑顔を向けられたら、不思議とドキドしてしまう気がした。 「透子、俺と結婚してほしい」  そして花畑の真ん中まで連れて来られたわたしは、高城藍からまたプロポーズを受けたのだった。  ーーー今度は、結婚指輪付きで。
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