【5.三度目のプロポーズ】

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「……え?」  ちょっと待って……。こんな所でプロポーズするの……?  ちょっと待って、そんなのズルくない? そんな風にされたら、断わることが出来ない雰囲気になるじゃない……。 「透子も赤ちゃんも、俺が幸せにすると約束する。……俺が生涯愛するのは透子、君だけだ。何なら誓ってもいい、この指輪に」  そんなこと言われても、何も言い返すことの出来ないわたしって……。もしかしてこの男に、少しでも期待を持ってるってことなの?  この前みたいに、断ろうと思った。そう思っていたのに……。  なぜかそれが出来ないーーー。 「愛してる、透子。 俺と結婚しよう」  そう言って答える間もなく、彼はわたしの左手を取り、わたしの左手の薬指にその結婚指輪をそっと嵌めた。 「……その言葉、守ってくれるんでしょうね」 「え?」 「生涯わたしだけを愛するって言葉よ。……その言葉、本当に信じてもいいの?」    なぜか不思議と、そう言葉にしていたわたしだった。 「信じていい。必ず幸せにするから、透子も赤ちゃんも。絶対に」 「……約束を破ったりしたら、即離婚するからね」 「ああ。構わない」
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