【5.三度目のプロポーズ】

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 なぜそんなこと、わたしは言ってしまったのだろう……。こんなヤツと結婚するつもりなんて、なかったのに……。   本当にそう思ってた、のに……。 「……わたしのこと、ちゃんと守ってくれる?」 「もちろん。……守り抜くよ、どんなことがあっても」    わたしのその問いかけに、高城藍は即答して答えた。  そしてわたしの目を見つめると、わたしの左手を取り片方だけ膝をつく。そしてそのまま映画のワンシーンに出てきそうなポーズを取り、再びわたしにプロポーズの言葉を放った。 「藤野透子さん。俺と結婚してください」  そんな真剣な目で見つめられたら、もう答えは【ノー】なんて言えないじゃない……。 「……はい」  わたしは自然と、そう答えていた。自分でもよく分からない。  あんなに高城藍と結婚することを拒否していたわたしだったのに、自然と受け入れてしまっていた。 「え……。本当か?」 「……だから、はいって言ったでしょ」  何度も言わせないでよ、もう……。 「透子……。ありがとう」 「別に。勘違いしないでね?あなたのためじゃ、ないからね」
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