【6.溺愛結婚の始まり】

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「高城明人だ。 息子のこと、よろしく頼んだよ。透子さん」 「……こちらこそ。末永く、よろしくお願い致します」  わたしはこの人たちと【家族】としてこれから、接していくことになるんだ……。  そして彼の子供を産んで、高城ホールディングスの跡取りを残すことになる。 「こんなろくでなくしの息子だが、支えてやってくれ。一応高城ホールディングスの跡取りなんでね、藍は」 「……はい」  高城ホールディングスに嫁いだわたしは、これからきっと、波乱の人生を送ることになるだろう……。  高城ホールディングスの嫁として、そして母親としての道を辿っていく。 「まぁ孫の顔が見れるのは、楽しみだな」 「……ご期待に添えられるように頑張って参ります故、どうぞ優しく見守ってくださると嬉しいです」   「ならそうしよう。 しかしまさか、藍が若女将である君を口説いていたとは……。ろくでなくしの息子ですまなかったね」  そんな父親からの言葉に、わたしは「いえ。元、若女将ですので」と返事をした。 「息子のこと、何卒よろしく頼むよ」 「こちらこそ」  と返事をして、わたしは微笑みかけた。
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