【7.高城家のルール】

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「透子、夕飯にしてくれるか?」 「……分かった」  わたしは藍に背を向けると、そのままキッチンに行って夕飯の用意をした。 「出来たよ」 「美味そう」  わたしの作ったロコモコ丼を美味しそうな表情で見つめる藍は、「いただきます」と手を合わせると、それを美味しそうに頬張りだした。 「美味い……。美味すぎる」 「そう? なら、良かった」  そんなに美味しいと言われると、なんだか恥ずかしくなる。 「そういや、透子」 「何?」 「お前、つわりとか平気なのか?」  そう聞かれたわたしは「……うん。なんか、思ったより平気」と答えた。 「そうか」 「……なんか、残念そうな顔してない?」    わたしがそう聞くと、藍は「まぁ、つわりで苦しむ透子に寄り添っていい夫を見せようと思ってたんだけど、それが出来なくて少し残念かな」と言ってきた。 「……何、それ」  いい夫を見せようと思ったって……。 「だって透子に優しくすれば、透子も俺に惚れるかなって思ってさ」 「……バカじゃないの」  何でそんなこと言うの……。そう思ってるのに、いざという時に口に出来ない。
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