【8.支え合っていくこと】

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 その答えに上手く答えることは出来なかった。 「……そうか」  藍のその表情は、何を思ってるのだろうか……? 「恨みたければ、恨んでもいい」 「……え?」  藍……。アンタ何言ってんの……?  「だけどその分、俺がお前を幸せにしてやる。……恨みなんか忘れるくらい、とびっきり幸せにしてやるから」 「……とびっきり、ね」  そんなこと言われなくたって、恨んだりしないわよ……。恨んでも仕方ないもの。  だけどこうやって藍と夫婦になったことは、紛れもない事実だから……。その真実だけは、捨てられない。 「ああ。お前が俺のそばから離れないように、ギュッと抱き締めて離さないから」 「……抱き締めるなら、優しくしてよ」  そうやって時々、わたしを惑わせるようなことを言うのが、藍なんだ……。  これが赤ちゃんの父親、そしてわたしの夫。 「分かったよ。優しく抱き締めてやる」  そう言ってすぐ、藍に抱き寄せられる。 「……藍。わたしは藍と、三人でこれからも暮らしていくよ。 わたしたち、家族になるんでしょ?」 「ああ。なるんだよ、家族に」 「……うん」
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