【10.好きなのかもしれない】

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「……透子」 「だけどわたし、負けないから。この子を守るためにも、わたしは強くならないといけないの。……もし高城社長に今後何を言われたとしても、わたしは絶対負けないから。 わたしにもプライドがあるの。 母親としての責任があるの」    母親になるの、わたしは。こんな所で弱音なんて吐いてる場合じゃない。  強くならないといけない。母親になるために。 「……透子は強いよ、もう」 「……え?」 「透子は充分強くなってる。 俺なんかよりもずっと」  藍の言うことに、何も言い返すことも出来なかった。 「藍……」 「透子は頑張ってる。君は一生懸命母親になろうと、毎日努力してる」  藍にそんなことを言われると思わなかったわたしは、予想外のことでビックリした。 「透子は偉いよ。 俺は透子のその頑張りを知ってるからこそ、透子らしくいてほしい」 「……え?」  わたし、らしく……? 「透子には透子の良さがある。……透子の優しさに、俺はいつも励まされているし、感謝してるんだよ」 「藍……」 「親父に認めてもらおうなんて、思わなくていい。透子ば俺の゙妻なんだから」
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