【11.藍の元カノ】

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 それでもちょっと、嬉しいと感じる自分もいる。 「透子、豆乳飲む?」 「あ、うん」 「じゃあ俺、豆乳出してやるよ」  藍は冷蔵庫から豆乳を出すと、お揃いのマグカップを取り出して豆乳を注いだ。 「ありがとう、藍」  とお礼をすると、藍は「お礼ならキスでお願いしたいかな」と言った。 「はぁ……?キスって……。イヤよ」  と拒否すると、藍は残念そうな表情で「残念」と口にした。 「ほら、朝ご飯食べるよ」 「おう」  【いただきます】と手を合わせて、朝ごはんを食べ始める。 「ねぇ、藍」 「ん?」 「今日、夕方から雨降るみたいだから、傘持ってた方がいいよ」  わたしは朝ご飯を食べながらそう言うと、藍は「分かった」と答えた。 「藍、偏頭痛あるんでしょ?大丈夫なの?」  藍は昔から偏頭痛があるみたいで、天気が悪くなったりすると、頭が痛くなるらしい。  この前もいきなり頭が痛いと言って、少し辛そうにしていたし。ちょっとだけ心配になった。 「心配してくれてありがとうな。でも頭痛薬飲めば治るから、大丈夫だ」 「あまり、無理しないでね」
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