【11.藍の元カノ】

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 その次の日も藍の後を付けていくと、あの女はマンションに来ていた。   そしてまた藍に近寄り、何かを言っていた。会話の内容は離れていてよく聞こえないけど、明らかに藍は、嫌がっているようにも見えた。 「……え?」  そしてその時、立ち去ろうする藍の腕を強引に掴んで引き寄せたその女は、そのまま藍の口に、キスをしてきたのだった。 「……っ!」  え、ウソでしょ……。今あの人……藍にキス、した? 「やめろ……!何するんだ……!」  藍は明らかに動揺しているようにも見えた。大きな声で怒鳴りつけていることたけは、見て分かった。   「……っ、何なの……」  あの女、何なの……。あの女、藍の何? 「何でキス、するのよ……」  藍も藍だ。油断してるから、そんなことをされるのだ。……バカなのよ、藍は。 「……帰ろう」  そんな二人の姿を見ているうちに、ショックがどんどん大きくなっていったわたしは、散歩するのをやめて大人しく家に帰った。  家に帰るとわたしは、ベッドに横になりながら、ため息ばかり付いていた。 「アンタのパパ……何考えるのか、分からないよ」
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