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戸倉日向の場合4
駿と大学で再会した。
サークルが一緒だったみたいだ。
私と唯一付き合ってくれた人。
まぁ、付き合ったと言ってもほんの数ヵ月。だからか、そんなに気まずいという感情はわかなかった。
どうせ、あたらしい彼女もいるんだろうし、
私との記憶なんてほぼないだろ。
でも、誘われて、
あぁ、この人、やっぱりまだ遊んでるのかとがっかりした。
翔ちゃんにその話をしたら、鼻で笑った。それだけだった。
翔ちゃんに話すと全てが軽い話しになる。
そこがやっぱり心地良い。
翔ちゃんと例の推し店員さんがいるコンビニに行った。翔ちゃんの前で、推し店員さんと話す私を見られるのがなんかこっぱずかしくて、
いつも以上に元気に振る舞ってしまった。
あとからめっちゃ後悔した。
推し店員さんの前では、よく見られようと落ち着いていたから、きっと今日その印象が壊れただろう。
あああああ
変な人と思われたかな。嫌われたかな。いやいや嫌うとかそんなこと思うほど仲良くもないし、というか私のことなんて何とも思わないよね。。
私なんでこんなに考えてるんだろう?
次の日もコンビニ行こうと思ったけど、なんだか勇気がなくて帰ろうとしたら、たまたま、推し店員さんのバイト終わりに遭遇した。すごくうれしかった。
ついでに昨日のことを謝罪したら、全然気にしてないみたいだった。
そりゃあね。やっぱりどうでもいいよね。
しばらくして、たまたま、また、バイト終わりの推し店員さんに出会えた。
本当は少し会えるかもしれないと期待して、
あのときと同じ時間にあえて遠回りなこのみちを選んだのだけれど。
少しだけで愚痴ってしまった。
自分が何もできないことを。こんな他人の話なんか楽しくもないだろうに、なんで話してしまったんだろう。
それなのに、店員さんは慰めてくれた。あのとき話しかけた私を気持ちがる訳ではなく、本当に嬉しかったのだといってくれた。
なんだか、泣きそうだった。
次の日、コンビニにいけなかった。
最近は推し店員さんに会いに、無理やり何かかいにいってた。
それなのに今日いけなかったのはたぶん、なんとなく、会えば、好きすぎていっぱいいっぱいになる。
でも私はばかだから、いつもみたいに、
遊びに誘う感じで、いっかいでも近付ければそれで、、
いや、この距離感でいた方が幸せだ。
散々ばかにしてきたくせに。
恋愛してる人を。
本当は、私が一番夢見てた。
ブスだと言われたあのときに、そんなことないと助けてくれる人がいれば良い。
そんなやついるわけないと、そんな夢見るなと、そんな想像をする自分をばかにして、なかったことにした。
本当は好きな人ができなかったのは、
自分に自信がなくて、好かれることに必死で、自分が何が好きなのかもわからなくなってたからだ。
こんな風になったのは、お前らのせいだなんていって、
いろんなこと遊んでる人とは遊んで良い。傷つけて良いと思ってた。だってそっちがしてきたことなんだから
そう言って遊んだ私も同類だ。
しあわせになっていいはずない。
いつか、こっぴどくおなじめにあうひがくるんだ。
それが怖くて、より人を好きになれなかった。
でももう知らないふりができないくらい店員が気になってしまってる。伝えたくなってしまうほどに。
そうだ。いっそ伝えて罰を受ければ良い。
好きな人に、こっぴどく振られれば良い。
怖がるなんて、今さらなんだ。
わたしがしてきたことなんだから。
「あの、、けっこんしてください!!」
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