戸倉日向の場合3

1/1
前へ
/10ページ
次へ

戸倉日向の場合3

翔ちゃんの次に関係が長く続いたのはなおちゃん。 この人は、最初私のことを馬鹿にしてた人。 私の通う大学で遊び人と有名だった。 「あれ、いたの?お前。」 みたいな、眼中にない人にはそんなことをいってのけてしまう。 だからこんな関係になるとはおもってなかったけど。 しかけたのは私で、それになんの躊躇もなかった。案外うまくいった。 私を好きにはなってはくれないかもしれないけど、でも、私から関係を終わらせば少しはプライドが傷つくんじゃないかな。そんな復讐心。 一回で終わらせようと思っていたのに、なおちゃんは続けることが当たり前みたい思ってたから、少し罪悪感を覚えて何も言えなかった。 こんな風にわざと人を傷つけることに私は思ったより抵抗があるらしい。 今さらいい人ぶったって、私が最低なことに代わりはないんだけど。 それでも、そのままおわりを切り出せずに、ずるずる関係は続いてしまった。 翔ちゃんに言ったら、 まぁ、良いんじゃないって。 私を責めることはなかった。 まぁ、翔ちゃんもめっちゃ遊んでるし、そりゃそうだ。 でもなんだか嬉しかった。 少し浮かれてたのか今日、コンビニで推しの店員さんに、声をかけてしまった。 なんでこんな勇気が出たのか謎だ。 まぁ、きもがられたら、もう一生いかないでおこう。 店員さんは優しかった。きもがることなく、喜ぶ反応をみせてくれた。 あぁ嬉しい。 こんなに顔がにやけるとは、私どうした。 思っているより私はこの推しの店員さんを推してしまっている。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加