簡単に言うと幽霊退治です。

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「ただいま」 狼は恐る恐る、沙奈の後をついて行き事務所の中へと入っていった。 「おっ、おじゃまします……」 狼はバックを胸に抱き寄せて、周りを伺っていた。 「狼くん、そこに荷物置いてね」 周りを伺ったが、誰の気配もなかった。 ドアを勢いよく開けて、誰かが入ってきた。 狼は体をビクつかせながら、小さくうずくまっていた。 「ただいま戻りました!沙奈さん。」 「ちょうどいい所に戻ってきた♡」と沙奈がご機嫌そうに、赤髪の男性に近づいた。 見るからに人相が悪そうで、顎マスクをして片手にはコーヒー。そして、左耳にはピアスを付けていた。 狼は絡まれるのが嫌で目を逸らしていた。 「嫌っすよ!俺、素人嫌いなの知ってますよね?それもハンターじゃねぇ。見えるだけなんてただの人間だろ?」 赤髪の男が、社長である沙奈と揉めていた。 「そこをなんとか。ねぇ、お願い。」 「いくら、沙奈さんのお願いでも……」 男は後ろの髪をかきながら、そっぽを向いた。 「じゃあ、給料を今月から上げるってどうかしら?」 上目遣いで男の様子を沙奈は伺っていた。 「乗った!約束っすからね!」 沙奈が持っていた書類を受け取り、狼の首根っこを掴み、事務所から出ていった。 「社長、あのバカに任せて良かったんですか?」 「いいのよ。魁ちゃん腕は確かだから。」 スマホをイジりながら、違う部屋から茶髪で横髪にピン留めをした男が出てきた。 「社長が言うならいいんですよ。」 「その、社長っての堅苦しいから沙奈でもいいのよ、そろそろ。」 「目上の人間は敬えってあのバカに教わってるんで。そこはきっちりしないと」 「ふふふっ。結蘭(ゆうら)は真面目ね。」 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 「あっ、あの……」 「つべこべ言わずに俺様についてこい。」 ガハハっと笑いながら、狼を連れ去った。 「……おい。オオカミ!そこに居ろ」 急に男は止まり、狼を離し前かがみになり周りを警戒しだした。 「あの、どうしたんですか…?」 「しっ、黙ってろ。そして、少し離れてろじゃねーと、怪我するぞ」 ポケットから拳銃を取り出した。 そして、その銃を狼に向けて引き金を引いた。 「お前はここにいるべきじゃねぇ」 その放った弾は狼をすり抜けた。 うわぁーーーーーー。と狼の後ろで悲鳴が上がり、後ろを恐る恐る見るとお化けが苦しそうに倒れ込んでいた。 こんなに悲鳴をあげて、しかも銃弾を放っているのに、周りの人は騒がすそのまま通りすぎている。 「どっ、どういう……」 男はポケットから手帳を取り出し、倒れていた者を吸い込んだ。 「ほら、行くぞ。」と狼に手を差しのべた。 狼は男の手を取り、立ち上がりそのまま男について行った。
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