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「ただいま戻りましたぁ」と叶が事務所のドアを開けて入り、その後に2人も続いた。
「あら、随分早かったのね。」と沙奈が椅子に持たれかけながらニコッと優しく微笑んだ。
「うん。魁士くんも居たしね。今回のはハズレだったかなぁ。」
「ハズレ?ですか?」と狼が気になり質問した。
「俺らが仕留めたのは、ゲームでいうザコキャラだ」
魁士が顎の当たりを触り、ムクっと口を膨らませ、はぁー。と深くため息をついた。
「奴らのしっぽは?」
「ザコだったっすからね~。そう簡単にはしっぽ見せねぇっすね。」
「そう。」と沙奈は少し頭を下げて暗い顔をしていた。
「それなら、僕の弟に検索してもらったよぉ」と叶がタブレットを取り出し、沙奈へと見せた。
そこには、さっき叶が採取した砂の結果だった。
「んだこれ?」
「数字ばっかりですね」
狼と魁士も画面を覗きこんだ。
「これはねぇ……」
「血液ね。」
「沙奈さん、正解ぃ。」と叶はパチパチと拍手をしながら、笑っていた。
「血液ですか?幽霊に?」
「奴らは、幽霊を血液から作り出し自分の駒にしているのよ。そして、人間を襲っては殺しては幽霊を作り出すって訳。叶くん、これ至急全員に送ってちょうだい。」
「わかったぁー」
叶は指示を受けて、自分の部屋へと戻っていった。
「魁ちゃん、狼くんを連れて新宿へ行ってきて」
「了解です。ほら、オオカミ行くぞ!」
「はい!ってあの、ずっと思ってたんですけど、僕オオカミじゃなくてラウ……」
「つべこべ言わずに行くぞ。」
狼は文句を言いながらも魁士の後ろをついて行った。
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