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「えーと。ここら辺かいるって言う噂の所は。」
魁士はスマホを眺めながら、周囲を警戒していた。
「おっと、失礼。大丈夫かい?」
狼の肩にぶつかった男性が狼の肩に触れた。
「だっ…大丈夫です。僕こそ失礼しました……」
狼は肩に触れられた瞬間になにか嫌な気配を察した。
呼吸を荒らげ、その場にしゃがみこんだ。
「おい、大丈夫か?」
「はぁ……はぃ。さっきの人から嫌な気配が……」
その瞬間に狼を目掛けてなにかが飛んできた。
すぐさま、魁士は銃を持ちシールドを張った。
「おい!狼!大丈夫か!!」と魁士がしゃがみ込んだままの狼に寄り添った。
槍が無数に狼を目掛けて放っていた。
「クソがぁ!!!」
魁士が両手で銃を持ち、1発放った。
すると、後ろにいた狼に血が顔にかかった。
狼を庇った魁士が膝から崩れ落ちた。
「魁士さん!魁士さん!しっかり……!」
狼が魁士に駆け寄り、上体を起こそうとしていた。
「逃げろ……。」と魁士が掠れた声で狼の胸ぐらを掴んだ。
魁士をその場に寝かせて狼が立ち上がった。
(僕がやらないと…)
「俺が……!!!」
狼がポケットから銃を取り出し、両手でトリガーを引いた。
トリガーを引くと、光が放たれ敵の的が定まった。
「ごめんなさい……」ともう一度トリガーを引くと風船のように膨れ上がった銃弾を放ち、幽霊は悲鳴を上げて、魁士の開いていた手帳へと吸い込まれていった。
「ちっ……」と狼達の様子を上で見ていたハットを被った男性が去っていった。
狼はその場で倒れ込み、意識を失ってしまった。
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