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COLD
「あー、今日は休みたい。あのサービス使っちゃおうかな」
このサービスを利用するのは今月で3回目だ。
スマートフォンでみなれたページを開く。
【IllNESS*RENTAL】
名前に似つかない明るいページ。
利用者数500万人突破!全人口の約半分が使っている。
その言葉で安心感を得る。
「今日はどれにしようかなー」
アイコンには風邪・腹痛・眩暈・疼痛・・・といった症状が書かれている。
このサイトは自分が欲しいと感じる病気を借りることのできるサイト。
初めはどうしても仕事に行きたくない日があって半信半疑で使ってみた。
すると本当に病気になることができた。
一回利用するごとに300円という安さ。
貸し出しは1日だけ。
やっぱりこれかな・・・。一番楽だし。
いつも利用する「風邪」のアイコンをタップ。
免責事項なんて書いているけどたくさん書かれているからそんなことは読んだことない。
こういうアプリの免責事項とかって読む気にならないんだよね。
【承りました。ダウンロードを開始します。
額にデバイスをお当てください】
スマートフォンを額にあてて、数分。
なんだか喉が痛い。
咳もでてきた。
ほんのり体もだるい。
声を出してみるとガラガラ声。
「やった、今回も成功だ」
早速会社に連絡をした。
案の定、休みをもらうことができた。
これで嫌な会議の参加をしないで済む!!!
今日は何して過ごそうかな。
見れてなかった映画を見る時間もできたし、ゴロゴロする時間もできた。
今日はのんびりすることを決め、夕方まで家で過ごした。
「なんかだるくなってきたなー。」
時間経過とともに症状が悪化するのがこのアプリでのデメリット。
まあ普通の病気にかかったてこんなもんでしょう。
明日になったらレンタル期間が終わるから楽になる。
起きたら出社して頑張るとするか。
だるさが強くなってきたから寝てしまおう。
ベッドへもぐりこむ。
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