COLD

2/3

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
朝起きると、体が動かなくなっていた。 しんどすぎて動くことができない。 どうしたんだ、これ・・・。 どうにか体を動かして体温計をとって脇に挟む。 たったこの動作をするだけでも億劫だ。 足腰もなんだか痛い。 38.2度!? えっ。 体温を見たとたんに眩暈がしてその場に倒れてしまった。 気持ちも悪い。 咳もとまらない、なんだかすこし息苦しい。 スマートフォンはベッドの上にあって、助けも呼べない。 なにがあったんだ、この体に。 床の上でぼーっとする頭をどうにか回転させ、考えた。 昨日はあの後、ぐっすり寝て。 布団もちゃんときていた。 本当の風邪にかかった? いや、昨日まで体調は万全だったわけだし。 考えるのもいやになってきた。 なんだか眠くなってきた・・・。 意識が遠のいていく瞬間、スマートフォンからけたたましいアラームが鳴り響いた。 それにびっくりしたのか、意識が戻る。 這う姿勢でベッドまでたどり着き、スマートフォンを手に取った。 ぼーっとする目をどうにか擦り、画面をみると 【IllNESS*RENTAL 通告!本月3回目の利用ですが、返却がなされてません。 延滞にあたり体調変化が急激に出現する恐れがあります。 返却をお勧めします】 ・・・なにそれ。どういうこと。 貸出期間は1日間のはずじゃ、返却は自動でされるんじゃ。 渾身の力を振り絞ってサイトに入り、返却手続きを行った。 するとすぐに体が楽になり、さっきまでのしんどさが嘘みたいに消えてなくなった。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加