凌辱の果て

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ハッとして起き上がれば森の中で、空を見上げれば星が瞬いている。服などもそのままで、部屋の中に居たので靴下しか履いてなくて仕方なくてそのまま森の中を歩くしか無かった。 しばらく歩いていれば獣の鳴き声のような物が聞こえ、落ちている枝を拾って一応武器として持ってゆく。しばらくゆっくり歩いていれば人の姿らしきものが見え、歩み寄っていきその後ろ姿の人の足元が見えた時に息が詰まった。 足元には見たことの無い緑色の人間とも獣とも言い難いモノがバラバラになって何体も転がっていた。ヒーロー物の敵キャラのゴブリンっていうやつに似ているがそれよりも禍々しい… パキッと枝を踏んでしまい振り向いた男の人は俺の姿を見て目を見開いた。体ごとこちらを向いたが、その姿は返り血に濡れていて、手には黒の刀身の剣があり血が滴っている。 「幻覚の類か…それとも擬態なのか…」 剣を構えられ、俺はじりっと下がる。ヒーローショーにしてはこんな所でこんな血なまぐさいなんて有り得ない…だったらこれは?? 一歩踏み込んだかと思えば一瞬にして俺の目の前に来て腰を抜かしてしまった。俺が座り込んで見上げているのを無表情で見下ろしてくる青年は暗闇に溶けるほど黒に包まれている。 男がしゃがんだかと思えば目の前に手をかざされ、意識が混濁してしまい後ろに倒れてしまったが青年が抱きとめてくれた。
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