凌辱の果て

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森の中を進む時はゲイルが俺を姫抱きしながら進み、戦闘の時は少し離れた場所へと座らせて安全を確保してくれている。 戦闘終わりには必ず頭の後ろを掴まれてねっとり唇が絡められるが、腕が回せないのがもどかしくて自分から舌を絡めてゆく。 今回は大きなイノシシのような魔物二匹を相手にしていて、時間がかかっているなと思っていれば何かが急に絡みついてきて声を上げる前に物凄い勢いで引っ張られてゆく。 そして宙に浮いたままその主を見れば青年が一人でいて、その腰あたりから機械の触手のようなものが伸びていて俺を捉えている。 赤みがかったちゃの短めの髪に焦げ茶の瞳で灰色の軍服のような服を着ているが襟ラインには青が使われているがそこは光が走っているようでどこか機械的な雰囲気がある。 「なっ…誰?何?」 「男…?」 「見ればわかるだろ?っつか…カッコイイ!!」 俺を下ろすと触手のようなものは引っ込んでゆき、俺は目を輝かせた。青年は俺をじっと見ていて俺に手を伸ばせば何かが走ってくる足音がして犬のアヌビスが腕に噛み付いてきた。 青年はそのまま腕にぶら下がるアヌビスを見ていたが、アヌビスの鼻先を掴むとバチッと大きな音がしてアヌビスは口を離してドサッと落ちた。
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