凌辱の果て

7/38
前へ
/38ページ
次へ
しばらく悩んで俺は重たい口をゆっくり開いてゆく。 「身体を差し出さずについて行く…のは…駄目…かな」 「ふふっ。愛らしい事を言うんですね?私達は貴方の命を守ってあげる変わりに身体を差し出せと言っているのですよ?それともお金で私達を雇います?」 俺がお金を持ってないのを知りながら胸元に指を滑らせ、ゆっくり顔を近づけてきて唇が重ねられる。不味い味が口に広がり、俺はこれから直にこの味を口にしなければならないのかと意を決する。 「お、俺の身体で良ければ…その…っ!」 言えない。抱いてくださいなんて、男の俺が男の人に言うなんて無理だ。だが言わなければ見た事のない魔物に殺されて、その上食われたり犯されるかもしれないならこの人達に身体を差し出した方がマシなのは確かだろう。 唇を噛みながらエルフを見ていれば俺の葛藤を察しているのか楽しそうに目を細めてこちらを見ている。ゲイルはいつの間にか服を着ていて、椅子に座ったまま俺を見つめていた。 「絶対私達から逃げないと約束してくれるなら今は許してあげます」 そう言われ、俺は力強く何回も頷いてみせた。二人は顔を見合わせて、ゲイルはつまらないと言わんばかりに部屋から出ていきエルフは逃げられないようにとでも言わんばかりに着ていたもの全てを持って出て行ってしまった。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

117人が本棚に入れています
本棚に追加