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私は少女を抱きかかえたまま妹の元へと戻る。その際に、大まかな少女の容態を見ておく。
「ふむ、やはり、気絶しているようだ。怪我は...特にはないようだな」
妹の元へ戻り、彼女にそう告げた。それを聞いた妹は、しばしの間考え込んでいたが、やがておずおずと私へ問いかける。
「私も、診せてもらってもいいですか」
「もちろんだ」
無論、私に異論などない。妹は私からの了承を受け、早速というように少女に近づく。私は妹の目線に合わせ、少しだけ腰を低くする。妹は少女から一・二歩離れた位置に立って、彼女のことをじっと見つめる。_瞬間、妹の瞳が優しい緑色に光りだす。
「...............」
妹は、そのまま十秒程見つめた後、静かに目を閉じる。そして、もう一度妹が目を開けると、其処に緑色の光はなかった。
「何か、見つかったかい?」
私が問いかけると、妹は少女のことを訝しげに見つめながら、疑問を口にする。
「...お兄様。この子は、一体何者なのかしら?」
何か見つかったのだろうか...。
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