第二章 「あの日の誓い 中編」

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 案の定カリンの予想は的中する。 「はい?何か私の教育方針に問題でも御座いますか、キクナ様。苦言を呈されるのであれば、普段からリッカ様に貴方様自身がちゃんと向き合って言ってくださらないと」 そう、キクナに向かって低い声で言うラウ。表情はにこやかだが、その目は明らかにキクナを睨んでいる。そして、その様子を完全に傍観する側になってしまったカリンは、少しだけずれたことを考えていた。 (やはり、こうなってしまいましたか。ラウちゃん、短気ですから...キクナ様もわかっていらしたでしょうに) ラウが何故怒っているのか、全くわかっていないようである。...その間にも、事態はさらに深刻化していく。 「なっ...!!何を言っているのです、ラウ。王妃に対して無礼なのではなくて?」 ラウの言葉にキクナが逆上して言う。 (やはり、こうなってしまいましたか。御二方共、負けず嫌いですしこれは長くなりそうです) 遠い目をして二人のことを見つめるカリン。この二人が喧嘩をするのはいつものことだ。どうにも馬が合わないようで、普段から顔を合わせるたびに何かと言い合いをしている。だから、ここまではいつも通りの光景なのだ。そして、いつもと違うところは、この場に貴族たちが居合わせているということである。 「何だ、喧嘩か?」 「王妃様と、あの獣人族の従者が何やら言い合っているようだな」 「あの男は次期国主様の従者なのか」 「王妃様と次期国主様は、あまり仲がよろしくないのか?」 等々、貴族たちは口々に思い思いのことを言う。
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