第二章 「あの日の誓い 中編」

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「...ラウちゃん」  カリンは彼の名前を呼びながら、その袖を少しだけ引っ張る。それに気づいたラウが、キクナを睨んでいた目を此方に、ゆっくりと自身の心を落ち着かせるように向けようとする。 (これで、ラウちゃんだけでも冷静になってくださるといいのですが__) 「あぁ、(わたくし)わかりましたわ。前々から、おかしいと思っていたのです。あなたたち、私を陥れようとしているのですよね」 だがキクナが放った言葉に、貴族たちの間でざわりと波紋が広がった。 「陥れるだと...」 「一体、どういうことだ」 「次期国主様は、何をお考えなのだ」 「王妃様が仰っていることは本当なのか?」 貴族たちが話すのを、さも愉快だというように見つめるキクナ。それを見て、カリンは一つの仮説を導き出す。 (王妃様は、式典を台無しにされたいのでしょうね。きっと、私が主役であるということが気に食わないのでしょう) ...私のことを憎んでいらっしゃるのですから、とキクナの行動を結論付けた。
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