第二章 「あの日の誓い 中編」

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「...ラウちゃん、どうかしたので___ 」 「カリン様、申し訳ありませんでした」  カリンが疑問を口にしようとしたが、それは途中で他ならぬラウによって遮られる。ラウは、カリンの前で跪き頭を垂れ謝辞を述べる。 「キクナ様のあまりにもな言い分に少々頭に血が上ってしまいまして__。私のせいでカリン様まで貴族たちからの評価が下がってしまったでしょうし...」 (少々、ですか。あれは、どう見ても少々などという生易しいものではなかったと思うのですが...) そう思うカリンだが、ラウにしては珍しく反省しているようだ。だから、普段より少し優しい口調を意識しながら言葉をかける。 「...あまり気にしないでください。下がってしまった評価を上げることは難しいことですが、かと言ってできないことではありませんので」 カリンなりにラウを励まそうとした結果だ。それを聞いたラウは何故か自慢げに言う。 「それもそうですね。私の可愛いカリン様に不可能などありえません」 その言葉を聞き、カリンは苦笑いを浮かべる。 (不可能なことは、流石にあると思うのですが...。それに___ ) それに、ラウは気づいていないようだが、貴族たちよりも問題なのはフェルドの方だ。...あの自分に対して向けられた眼光を思い出し、一抹の不安を覚えるカリンであった。
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