僕たちの秘密

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「奏斗、やっぱりここを出よう」 僕は再び奏斗にそう提案した。 男同士でこんな関係にあることが奏斗を苦しめているのなら、解放してやりたい。 そう思ったからだ。 勿論、奏斗を手離したくなんかない。 だけど仕方ないじゃないか。 奏斗が嫌がるんだから。 「誠二…」 「何?」 「俺…」 そう言って奏斗が部屋を飛び出した。 「奏斗!」 玄関を出ると仕事帰りの大久保さんと八合う。 手にはビニール袋が握られている。中身は多分ビールの缶だろうか。 「こんばんは」 「こんばんは」 「あの、奏斗見ませんでしたか?」 「茶髪の子?あっちの方に走って行ったけど…」 「すみません、ありがとうございます」 あっちの方は間違いなく公園だ。 奏斗は何かあるといつもあの公園に行く。 公園まで走って行くと、やっぱり奏斗がブランコに揺られていた。
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