迷えるオメガの初恋は

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完全に発情の波に飲まれていた僕は後ろからその人の昂りを受け入れ、腰を激しく打ち付けられている。その激しさと気持ちよさと、そして早く精をこのお腹の奥深くに打ち込んで欲しいという欲求に頭が支配されていたその時、うなじを舐められたと思ったらいきなり強烈な痛みが生じた。そして感じるその人の力。 うなじからその人の力が流れ込み、僕の身体を作り替えていく。その時の快感はすさまじく、同時に打ち込まれた精もまたさらに僕に快感を与えた。 その時のことを思い出して、僕は一瞬ドキリとする。 もしかして、誰かと間違えられて噛まれちゃった? だけど『ベータだと思ったから・・・』て言ってたし、やっぱり僕の事なのかな? うなじを噛まれるというオメガ最大の出来事よりも相手が誰なのかということの方が気になった僕は、このアルファの顔が見たくなった。だけど身体をぴったりと密着して抱きしめられている上に、相手は僕のうなじに顔を埋めている。 見たいけど見れない。 それが焦れったくて身体を捩ろうとしたら、それを逃げると勘違いした相手に思い切り支配力を発揮されてしまう。 「逃がさない。お前はオレのものだから。嫌だって言ってもオレの力を最大限使ってお前を離さない」 別に逃げようとした訳じゃないけど、そう勘違いされて縛られてしまう。でもそれがすごく心地よくて、僕の身体がきゅんと疼く。 もともとうなじをずっと舐められていたので、まだ発情の余韻を引きずっている身体は火がつきかけていた。そこをアルファの力強い力で支配されて、完全に熱くなってしまう。とはいえ、身体は余韻を引きずっていても、理性は完全に復活している。自分のこの変化に自分で引いてしまう。 なにこれ。 僕・・・変態みたい・・・。 されたことだけ見れば、僕はかなり理不尽な扱いを受けている。僕の意思など微塵も聞いて貰えず、勝手に一方的に番にされて監禁されているのだ。なのにそれが心地よくって欲情してしまうなんて・・・! ドキドキと心拍が上がり熱くなる身体は、当然僕のものも変化する。それに目ざとく気づいたその人は自身の腰も僕に押し当てる。 熱い・・・。 熱く猛ったそれを僕のものにゴリっと押し当てる。するとぞくりとした快感が背筋を駆け上がる。 「お前がオレのものだって分からせてやる」 そう言うとその人は僕の両膝の裏に手を入れて思い切り持ち上げる。それと同時に後孔の窄みに熱い昂りが押し当てられたと思うと、それがずぶりと挿入ってきた。 「あっあ・・・っ」 発情期が明けたばかりのそこはまだ柔らかく、その間さんざん流し込まれた精によってそれはなんの抵抗もなく奥深くまで挿入ってくる。 「ああんっ」 その一瞬の出来事に目の前に星が飛ぶ。だけど身体は従順に相手の抽挿の動きに合わせて中を蠢かす。 「あっあっあっ・・・」 激しく打ち付けられる腰に身体を大きく揺らされながらも、戻った視界で相手を見る。するとそこには、眉間に皺を寄せて辛そうな顔のアルファの姿が。 なんでそんなに辛そうな顔をするんだよ。 辛いと言ったらされるがままの僕の方だ。 膝が胸につきそうなほど身体を二つに折られ、高く上がった腰に何度も凶器のように大きな昂りを打ち付けられているのだ。でも僕はその苦痛すら快感に変え、すごいスピードで極みに押し上げられていく。 気を抜くとその快感に意識が飛びそうになるのを必死に堪え、僕に己を打ち込むそのアルファを見る。 こんなアルファ知らない。 やっぱり人違い? そう思うけど、頭のどこかで何かが引っかかる。 どこかで会ったのだろうか。 だけど記憶が無い。 こんなハイスペックなアルファに知り合いなんていたかな? 顔はすごく整っていて、背も高い。アルファの力もかなり強そうだ。だって一瞬で先輩を黙らせたんだから。先輩だってそこそこ力があるアルファなのに、それをあんな一瞬で押し負かしたんだから、相当に力が強いのだろう。 「なに他のこと考えてるんだよ。そんな余裕無くしてやる」 僕がつらつらそんなことを考えていたことが気に入らないのか、僕の目の前まで顔を近づけてそう言うとその人はグッと体重をかけて奥深くまで身を沈めた。 「あんっ」
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