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「…………」
「…………」
え、なんで帰らないの?
さっき、さようならって言ったよね?
「……………」
「……………」
そして、再び沈黙
ぎゅるる〜
ヤバい!また腹が…!!
と、頭の中でトイレの神様を召喚していると春野さんがドアの方へ歩きだした。
その行動に洸太郎がほっとすると、彼女はドアの前で止まって、少し俯いてから振り返った。
息の吸う音が聞こえる。彼女の耳は赤い。
「許してはない。ないけど、嫌いになってもないから。……それと、今日は殴ってごめんなさい。」
バタン
ドアが勢いよく閉まる。
そして、走り去る足音。
「…………………へ?」
俺の、俺の、俺の今の顔は何色だろうか?
答えは、無論、窓から差し掛かる夕日と同じ
真っ赤だ。
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