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「母さん…人を疑うことってできないの?」
「できるわよ~少なくともあんたと同じくらいには。」
「つまり俺はこれと同レベルってことか…」
えっへん、と胸を張っている母さんを見て、さっき少しでも心配した俺が馬鹿だったと思い直す。
いまさら何を言っても無駄か…と思ってもう帰ることにした。
とそこに、こんな一言。
「なので、聡ちゃんには、妹ができま~す。ぱちぱちぱちぱち~。」
………………………おっと。
少しの間思考が止まっていたようだ。
頭を振って意識を回復させ、頰をつねって現実であることを確認すると、母さんとの会話に戦線復帰する。
「…妹?え?生まれたの?ん?」
「……な訳ないでしょ。再婚相手の連れ子よ。ふざけてるの?」
「母さんにだけは言われたくない!」
久しぶりに真剣な声を聞いたと思ったら、母さんの口から聞きたくない言葉TOP5が耳に飛び込んでくる。
少なくとも母さんよりはまともなはず、と少し心配になる俺。
「もっと早く言えよ…それで、どんな子なの?」
「さあ~?このあと一緒にお昼にすることになってるから、その時にわかるんじゃない?」
「それをもっと早く言ってほしかった!」
結局くつろげないんか〜い。
まあ、母さんの話に何時間も費やさずに済んだのは幸いだが。
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