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────  ふたりの家を出たボクは、ほっと胸を撫で下ろした。  話し合いがヒートアップした時に、随分と心の闇を吸い込んでしまった。胸が、キリキリと痛む。  少しの靄ならば、一晩眠れば朝には浄化されてしまうのだが、今日だけで三件分の靄を蓄積してしまったため、身体にガタがきてしまったようだ。  ボクは少し休んだあと、レンタル本部に回線を接続する。 「こちら空気清浄01。依頼の成功を報告する。メンテナンスの為、本日の業務から離脱します」 「了解。お疲れ様でした。このまま、メンテナンスに接続します」  数秒後。 「はい。こちら、レンタル掃除機」 「お世話になっております。こちら、レンタル空気清浄01。いつも通りメンテナンスをお願いします」 「ああ。01さん。いつもありがとうございます」 「いつもすみません。汚れ物を押し付けて」 「問題ありません。汚れがたまったら、わたしたちもレンタルゴミ箱さんにお願いしておりますので」 「お互い、大変ですね」 「仕事ですから。頑張りましょう」  こうしたやり取りをしている一方で、先程訪れた依頼者の家では、違うやりとりがなされていたようだ。  
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